なまらDEEPな釣り新聞
NO.88
2007.9/24
9月24日。まだチョット早いかなとも思われたが、駄目もとで
『椴法華漁港』
で、竿を出してみることにした。
釣り場に到着したのは、午前6時半過ぎ。祭日だったということもあり、釣り場は混雑していると思われたが、到着したときには港内側の中間部に、おそらく夜釣りで入釣したと思われる人が一組いるだけで、外海側も先端部も釣り人は皆無だった。
天気予報では、昼前に風が強まる予報だったので、短期勝負と決め込み、先端部でやってみることにした。
いつも通り、4本体制でスタート。近・中と投げ分け、アタリを待った。
・閑散とした様子の漁港の様子。のびのびできるのはいいが…。
海面にゴミが若干浮いていたので、道糸に時々触って竿先が揺れる。落ち着かないので、時々巻き上げて仕掛けを入れ直す。巻いてみると、
『怪しい!ヒトデ。』
が付いていた。どうやら、ポイントは間違っていないようだ。
いよいよ夜釣りで入釣していた人も帰ってしまい、ブラーで遊んでいるちびっ子が二人いるだけになった。ちょっとさびしいが、まぁ、ゆったりできるか。
そのちびっ子に
『こんにちは。何か釣れますか?』
と聞かれた。
『まだ、何も釣れないね……。』
と言うと、静かに去っていった。ここで何か一匹でも釣れていれば良かったのだが、何せこの時期の椴法華。一か八か感が釣り場全体を覆っている。
さっき言った言葉の『まだ、何も釣れないね』の『まだ』が、自分の中で引っかかった。釣れる確証なんてないのにと…。
遠くで、ブラーで釣ったガヤを抱えて、ガッツポーズをしているさっきのちびっ子の姿が見える……。よくやっているほうだよ、君は…。
午前8時半過ぎ。予報通りに風が強まってきた。切ない気持ちで竿先を見つめていたが、いよいよ
撤収の二文字
が頭をかすめだした。『どっか、風をかわせる場所に移動して、仕切り直すか……。』と、ロッドを片付けはじめた。
ロッドをしまっている間に、一本の竿に
子アブらしき弱いアタリ
があったが、時々その竿の竿先を確認しながら、1本ずつ片付ける。そしてとうとう、そのアタリがあった竿を片付けようと、一応アワセを入れ、ロッドを煽るとなんだか重い。巻いている最中も、アブラコ独特の首振りのような感触もない。
『もしや…。』
リールを巻きながら、置いてあったタモのショルダーベルトに手をかけると、なんとベルトが外れてしまった。
『こんな時に、なんてこったい!!』。
タモを諦め、テトラに乗ってリールを巻く。なかなか魚が浮いてこない。高まる期待の中、魚が見えた。
『マジかよ!! ババガレイだ〜〜!!』
タモもないので、慎重に魚を抜き上げるポイントを探す。1回目はテトラに引っかかり、魚が抜けてこない。さらに場所移動し、もう一度トライ。何とか抜けてきた。
『お願いだから、すっぽ抜けないで!!』
と祈りながら、魚を手元に引き寄せ、魚を掴んだ。
『よし、GETだ〜〜!!』
さっきやってきたちびっ子が、近くに来たので、
『やっと、釣ったょ!』
と言うと、ニヤニヤしながらもう一人に
『見に来いよ!おじさん、でっかいの釣ったぞ!』
と叫んだが、その子は来なかった。自分の釣りに集中しているようだった。
『おじさん』
という言葉が少し気になったが、この際どうでも良かった……。
・45cmのババガレイ。今年最大サイズをわずかに更新。
その後、風を我慢して釣りを続けようとロッドを投げ直していると、道糸を船に引っ掛けられ、強制終了。
ここ数週は、まだ魚影が薄く厳しい状況がしばらく続くと思われるが、魚を見たことで、狙えるターゲットということを確認できた。
気長に待つなら、寒さも辛くないこの時期もいいかもしれない。